VOL.27 |
ガーが飼えなくなる日
最近テレビ等で幾度となく放映されているのでご存知の方も多いかと思いますが、環境省により平成30年2月にガー全種が特定外来生物に指定することが適当とされました。
ガーがこの特定外来種に指定されると輸入、販売、譲渡等一切の移動が出来なくなります。まだ100%決まった訳ではありませんが、「決まりますよ。」との決定された様な感じですね・・・。
*規制前に入手した個体に関しては申請を行い、飼育を継続できる予定です。
外来種に指定されるには日本固有の生物に害を及ぼす事が懸念される為で、現に多くのガーが日本の天然に放され確認、捕獲されています。これは輸入業者、販売店、飼育者の全てのアクアリストが招いてしまった事が原因である事は間違いありませんし、反省すべき点であるのは事実です。
この問題に加害者、被害者がいるならば、一般の方から見れば我々アクアリストは残念ながら加害者である事は間違いありません・・・。
規制の方法に間違いはなかったのか?
ここからが今回のひとりごと27の本題です。
偉い人達が決めることなので、僕ごときがどうこう言うのは間違っているのかもしれませんが、いくつか疑問に思う事があるので今回のひとりごとに書く事にしました。
一番強く思うのは規制の方法に間違いはなかったのか?と言う事です。日本の生態系を壊す恐れがある、守る必要があるのは誰もが思うところでしょう。ガーが規制されるのはアクアリストの密放流が原因であるのは事実ですし、致し方ないかとも感じています。
「ガーが天然で増えたら困る。規制しよう。」と言う考えは分かります。しかし、一方的にそんな単純な考えで規制するとどうなるかを考えなかったのか疑問に思います。アクアリストの気持ちを一切考えなかったのは大きな間違いだと思っています。
まずは規制されるとなれば、多くのマニアさんが「ガーは今しか買えない。」と考えるのは当たり前の話です。今入手しないと今後入手は不可能になるからです。当然そうなれば販売店さんはガーの仕入れを増やしますし、輸入業者もガーの輸入を増やします。現に規制の話が持ち上がってから全国的にガーの輸入量が増えているはずです。需要が増えれば、供給を増やすのは自然な話です。規制するどころか日本国内のガーの数が急激に増えているんです。
ガーを規制するのであれば、飼育、販売は規制せずまず輸入を禁止すべきだったと思います。
輸入を止めれば基本的には国内のガーの数は増えません。飼っているガーが事故で死んでしまったりする事もありますので、長い目で見ればゆっくりと国内のガーの数は減少に転じる筈です。新たに輸入されなければ下取りでの販売も増えますので、飼い切れなくなったガーを密放流ではなく、ショップ、個人間で売買するといった流れになるのではないでしょうか?当然、新たに輸入されなければ希少性が上がりガーの価格も上昇するでしょう。川や湖に捨てるよりもお金になるならばそちらを選ぶ方が多くなるのではないでしょうか?仮に数千円のガーが数万円の価値になったとするならば、誰も逃がしたりはしませんし、もし川で釣り上げた人がいるならばショップに持ち込み買い取りを希望される方もいるでしょう。
受け入れ先がないのも大きな問題です。規制をするならば飼い切れなくなった個体を受け入れる先も用意するべきなのではないでしょうか?水族館、動物園、特定ショップ、研究機関などです。しかし、現状の法案ではショップには持ち込めない、個人売買も出来ない、これ以上飼育も出来ない。環境省は「飼い続けるか殺処分して下さい。」って話ですが、アクアリストにそれを求めるのは酷です。飽きて飼えなくなった方もいれば、飼育環境を用意出来なくなった方も多くいるはずです。しかし、密放流しか逃げ道を無くす法案なんじゃないかなぁ~と思っている訳です。
なんでこんな状況になったんだろう?何故、川に捨てるんだろう?なんで殺処分しないんだろう?勿論捨てる人間が悪いのは認めますが、本当に自然界からガーをいなくするのには、偉い人にもアクアリストの気持ちも考えて頂かないとならないのではないでしょうか?
法案が見直される事を願って
今回ここに書かせて頂いた話を環境省の外来生物担当の方ともお話しさせて頂きました。
ここ最近、ガーの輸入量が増えている事は知らなかったようでビックリされていました・・・。要望として「ガーの全てを規制するのではなく、ガーの輸入を規制してください。販売、移動は認めないと輸入量が増えているから将来逆に密放流が増える可能性がある。」とお伝えさせて頂きました。勿論、僕の名前も店名も全て名のってからお話ししました。
僕は輸入業者ですし販売店でもあり、輸入と販売で生計を立てています。プラチナだけですが、ガーを入手すべく現時点でも動いています。密放流が一番悪いのは分かっていますが、飼育者、販売店、輸入業者様々な思いがあり現在の現状を生んでいるのではないでしょうか・・・。
誰も捨てたくて捨てるんじゃなくて、捨てるしかない環境だから捨てるんじゃないでしょうか?テレビで放映されるガーのニュースを見ると心が痛みます。恐らく多くのアクアリストが同じ想いであると信じています。
簡単な話ではないのは分かっていますが、今一度規制の方法を検討して頂ける事を強く願い、今回のひとりごとに掲載させて頂きました。
注:この記事は2016/07/08のブログ「アジアアロワナ・ワールド」の内容に加筆しアップたものです。
ブログだと数日で下層ページに移動しますので、多くの方に見ていただきたくここに掲載いたしました。
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