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VOL.24

夢のアルビノ繁殖計画3

「ひとりごと21 夢のアルビノ繁殖計画2」では、アルビノ過背金龍の1~4回目産卵のご報告をさせて頂きました。
今回は同じ様に5~6回目の産卵の様子と新たに分かった事などをご紹介したいと思います。

5回目の産卵

2013年1月3日

早朝4時、アルビノ過背金龍の5度目となる産卵が行なわれました。オスは手堅く3~4回目の産卵で成功している個体に咥えさせる事にしました。前回、前々回よりも意識して餌を多く与えていましたので、一回り大きくなった事もこのオスを選んだ大きな要因でした。

産卵直前のアルビノの肛門部分
産卵直前のメスの肛門部分。大きく膨らみいつでも産卵可能な状態です。大きさ、膨らみ方から40個は産むと確信できましたが、この数は上記のオスが咥えられるギリギリの数です。


1月9日、オスの口から卵を慎重に取り出します。この時にアロワナが暴れたりすると卵を全て噛み砕いてしまう事もありますので、慎重かつ大胆に一気に出してしまいます。この瞬間はいつもドキドキハラハラですが、一番楽しい瞬間でもあります。


21個の卵を咥えていましたが、うち左6個は無精卵でここから孵化する事はありません。右の15個が正常な卵ですが、一番下に写っている卵は孵化の途中です。タイミング的には少し早いので、卵を取り出したショックで孵化させてしまったと考えています。ここからこの15個で人工孵化を行います。


無事に孵化し、かなり大きくなってきました。このアロワナは全てアルビノの遺伝子を受け継ぎますが、すべて黒目となって産まれてきます。アルビノとノーマルを掛け合わせでは何回繁殖させてもアルビノは出現しないのです・・・。


卵に問題発生。全ての卵に水泡が現れました。この水泡は進行が進むと毛細血管を侵していずれ全ての血管が崩れてしまいます。いくつかの養殖場に原因と対処法を聞きましたが、帰ってくる答えは「見た事がない。」との返答ばかりでした。年間何万匹ものアジアアロワナを養殖している彼らですら見ないのであれば、アルビノの卵特有の症状である可能性が高いと判断せざるを得ませんでした。水槽を別け、薬などを色々試しましたが、水泡の進行と発生を止める事が出来ず、結局全ての個体を失ってしまいました・・・。今後の大きな課題ではありますが、予防策が取れるか不安が残る結果となりました。15匹のヘテロを新たに得られたと思っていたので、正直ショックは大きかったです。

6回目の産卵

2013年7月22日


ここ数年定期的に6ヶ月ごとに産卵しているアルビノ。今回は産卵シーンを動画撮影する事が出来ました。この動画から産み落とされた卵は42個である事が分かりました。そしてオスが37個、メスが5個の卵を咥えています。今回が初めてではありませんでしたが、自然界ではオスが卵を咥えきれないと判断するとメスも卵を咥える事が立証出来たのではないかと思います。
産卵動画はこちらから(YouTube)


順調に卵を咥えていたオスですが、6日目に水槽の水が真っ白になりかなりの卵が砕けたと判断しました。
タイミング的にはもう少し時間が経ってから開けたかったのですが、卵を取り出すことに・・・。全部の卵が駄目になったと考えていたのですが、幸いな事に4個だけが無事でした。原因は明らかでアルビノが苛立ちオスに攻撃を仕掛けたと考えています。ただこれは人為的なミスでもありますので、深く反省と後悔することとなりました。


孵化したばかりのアロワナ。このタイミングで目も出来上がっていません。しかも今回の卵は毛細血管が少なく、全体的に白黄色の色をしています。これは卵全体に張り巡らされている血管が少ない証拠で、卵の強さに大きく関係してきます。アルビノの卵であるためだと考えられますが、細心の注意を払い人工保育を行ないます。


途中1個の卵は前回同様水泡が出来て死亡してしまいました・・・。残りの3個は順調で、特に大きな問題もなくそのまま大きくなるかと思っていました。しかし、1日1個ずつ水泡が出来て、結局その進行を阻止する事は出来ませんでした。


水泡は針で卵に穴を空ける事である程度対応出来る事が分かりましたが、針で水泡を潰しても1時間もすると新たな水疱が現れたりして、結局対応が追いつきませんでした。毛細血管が崩れ始まるとその進行を止める事が出来ず、打つ手がないのが現状です。5回目、6回目の産卵ともに同じ症状に悩まされていますが、アルビノの卵では避けられない事なのかもしれません・・・。


5回目と6回目の産卵で得られた結論
1.アルビノの卵は通常の卵よりも弱くデリケート。水泡など他では見られない症状が現れる。
2.孵化してからの成長スピードが遅く、10日目辺りからその差は歴然となる。
3.毛細血管が細く少ない。よって卵がオレンジ色よりも白黄色になる。

まとめ
2013年は1月と7月の2回の産卵がありました。残念ながらそのいずれも失敗に終わりました。
まだ次回までに時間があるので色々な事を考えたいと思っていますが、オスは違う個体でペアリングを行なってみようと思っています。上手く成長すれば、3回目、4回目で得れたヘテロでのペアリングも視野に入れたいと思っていますが、サイズ的に20個も咥える事が出来ないでしょう。
まだまだ課題は山積みですが、少しずつ前進は出来ていると考えています。分からないから考えることを止めない訳ですし、難しいから楽しいのでもあると思っています。このアルビノ繁殖計画も3回目、4回目でヘテロを得た事で大きな山は越えたと思っていますが、まだまだやりたい事や知りたい事は沢山あります。また次回ひとりごとの「アルビノ繁殖計画4」を書ける日を楽しみにしています。


中国河南省鄭州市に行って来ました。   ひとりごとTOPへ  韓国に行ってきました。


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